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2020年3月30日 22:54

57. 検査でみつからない 便秘

西洋医学では、便秘は

・腸の働きが低下して起きる「弛緩性便秘」

・腸の緊張が強い「痙攣性便秘」

・直腸での排便反射に異常のある「直腸型便秘」

の三つに分けて考えます。

 程度がはなはだしい場合、消化器に炎症や腫瘍が隠れている場合もあり、CTや内視鏡検査が行われます。

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一方漢方では便秘は体内に毒素がたまった状態」として、"消化器の問題"のみならず、身体全体の問題と考えます。つまり体の不調は毒素によってもたらされるという考え方をします。

毒素のことを「結毒(けつどく)」といい、結毒のたまった状態を「秘結(ひけつ)」といいます。便秘の「秘」は、これに由来するのかもしれません。

そして身体全体の不調に対する治療戦略のひとつとして、結毒を体の外に出すこと、つまり排便が重視されています。 

排便を担う生薬には「大黄(だいおう)」があります。不調の元となる諸毒を排出する一番のお薬としてよく使われてきました。江戸時代には、将軍湯(しょうぐんとう)というこの大黄だけで構成されているお薬もあったくらいです。

今ではこの大黄に様々な効能が確認されていますが、昔の人は経験的にそれを知り、便秘以外の諸症状に応用してきたことに驚かされる次第です。

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 ところで、漢方では「秘結」を四つのパターンに分けて考えます。

  熱秘...高熱が出たときに起きる便通障害のことをいいます。強い炎症によって生じる水分の不足や腸管麻痺によって生じます。排便しても腸に便が残ってしまうため、「すっきりしない」というしぶり感を伴います。

 

②寒秘...腸が冷えてしまい、本来の腸の働きが低下して起きる便通障害のことです。いわゆる「腸の冷え症」です。

 

  燥秘...忙しくてなかなかトイレに行けず、排便習慣が乱れてしまった方に見られます。必要以上に腸の水分が吸収されてしまい、便が硬くなってしまった便通障害のことです。

 

  気秘...自律神経の失調によって、腸の運動が停滞して起きる便通障害です。腸はもともと自律神経の影響を受けやすいため、緊張感が強くなると障害が生じます。そして排便しても快適さに欠け、切れ切れの細い便になったり、下痢と便秘が交互にくり返されたりします。

 特に日常の精神的ストレスや、うつ病などの精神科疾患(気うつ)の方によく見られます。

 

 便通障害といっても、便秘だけが気になる方は西洋薬の下剤で対処してよいでしょう。

 しかし、のぼせ、不眠、不安などの精神面の悩みや、生理、更年期の症状の悩みなどもあるようなら、大黄剤で一緒に解決することもよいでしょう。

漢方薬は、単一成分でできている西洋薬の下剤とは考え方が違うことが特徴なのです。

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