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2019年6月 1日 00:30

48. 検査でみつからない めまい

めまいを訴え、病院に来られる方は意外と多いものです。

ただし一言でめまいといっても、その性質によって、考えられる原因はさまざまです。  

 

 たとえば、

・ 天井や壁がぐるぐる回るもの→耳の異常(平衡感の異常)、脳疾患(脳梗塞)

・ 起き上がるなど首の動きによっておこるふわっとするもの→頸椎と椎骨の血流不全

失神(意識消失発作)→心臓(不整脈,弁膜症)、脳疾患(脳梗塞,てんかん,認知症)

目の前が真っ暗になるもの(眼前暗黒感)→血管疾患、心臓(不整脈)

 

西洋医学的に病態が理解されているものは、検査でみつかりやすく、対策がとられやすいものです。

でも以下のようなめまいは「ふらふらする」という表現ばかりが目立ち、後回しにされてしまいます。

 

浮遊感: 雲の上を歩いているような、地に足がついていないようなめまい感

斜行感: 真っすぐ歩こうとしているのに、横にそれてしまうようなめまい感

・ 地震感: 腰掛けているときにクラッとし、地震かなと思うようなめまい感

横走感: 眼前の物が、サーッと横に走るようなめまい感

脱力感: 歩いているときに、膝の力が抜けるような、床面がグニャと曲がるようようなめまい感

 

これら「~ようなめまい感」は、脱水や貧血など血液の量が減ったことに端を発する場合は、治療しやすいものです。

でも、もし加齢や運動不足による場合は、足腰の筋力低下や自律神経の不調が原因であり、なかなか改善にいたりません。

 

そこで検査でみつかりにくい病態には、東洋医学を重ねます。

そのメリットは、東洋医学は概念の幅が広いため、西洋医学で相手にされない「~ようなめまい感」でもひろわれる可能性があることです。

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ところで前回のブログで、漢方の解釈に「陽証」と「陰証」の区別が大切であることをお話しました。これはめまいにも同じことがいえます。

 

 「陰」とは、手足が寒々、精神的な抑うつなど「物静かで、活力の低下した様子」のことをいいます。一方で「陽」とは、ほてりや発熱、気分高揚など「激しく、活力の増している様子」のことをいいます。

 治療には陰証に「温めたり、潤したりする生薬」が、陽証に「熱を晴らす生薬」が用いられます。

 

漢方のめまい治療では、

1)「陽証」で体力のある方には、

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を用います。

これは「朝起きたときにめまいがあり、ふらふらした」「血圧を測ってみたら、200/もあった」という方が最適です。このような体質を『陽実証』といいます。

 

2)次に、「陽証」ではありますが、体力のない方には、

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や沢瀉湯(たくしゃとう)、連珠飲(れんじゅいん)などを用います。

これは「雨模様の日に、めまいを感じやすい」「耳鼻科で、メニエールと言われた」という水毒の方が最適です。このような体質を『陽虚証』といいます。

 

3)最後に、「陰証」で体力のない方には、

真武湯(しんぶとう)を用います。

 典型例としては「足元がふわふわし宙に浮いている」「いつもなんとなく、ふらついてだるい・・」とおっしゃる方が最適です。このような体質を『陰虚証』といいます。

 

診察では、お話からあたりをつけ、脈や舌から状態を判断しお薬を処方します。これは初めの一歩ですが、その後応用処方につなげているのです。

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